長生きを喜べないって、どういうこと?
まず、長生きすればするほど、年金と必要額との差額は拡大します!
今話題の、2,000万円問題ですね。
そう考えたら、健康、長生きは単純に喜べないですね。
緩和ケア病棟を追い出されるという、これまたよく分からないニュースもありました。
入院が必要な状態が長く続く人もいるわけで、それを否定する仕組みってどうなんでしょう。
ということで、今回はそんな、緩和ケア病棟のお話。
予想より長く生きたがん患者の、家族の苦悩を少しだけお伝えします。
余命宣告より、長く生きている!
家族が、数ヶ月前に、がんで余命数ヶ月と言われました。
今は、緩和ケア病棟に入院中です。
余命って、お医者さんにも分からないみたいですね。
おそらく、統計的に、「平均したらこれぐらい」とは言えると思うのですが、
目の前にいる人があとどれだけ生きられるかなんて、
正確に言い当てられるわけはないので、仕方ないことだと思います。
もし、思ったより早く、急に病院から連絡が入ったら・・
おそらく、「もう少し話しておけば・・」とか、後悔が残るかもしれません。
では、逆に、予測より長かったら・・・嬉しいと思いますか?
実際、「複雑な気持ち」というのが、今回の私たちの体験談です。
1ヶ月ほど前、
「今の状態、分かりますよね。話ができるうちに話しておいてください」
というお話を、先生からいただきました。
おそらく、あと1~2週間という予測だったと思います。
痛みもひどく、せん妄の症状もひどく、
素人目にも「しんどいんだな・・」という状態でした。
ところがその後、体調が少し良くなり、痛みやせん妄も少しおさまり、
既に4週間ほどが経過しました。
長く生きるのは嬉しいこと?
この状況、長く生きているならいいんじゃないの?と思われるかもしれませんが、
家族はみんな、結構複雑な気持ちです。
先生にあと少しと言われてからは、ある程度覚悟を決めて、
仕事を休んで交代で付き添いしたりしたわけです。
しかし、そんな覚悟とは違う現実になっているので、
実際、長く生きていて嬉しいという気持ちよりも、
「いつまで続くんだろう・・」という不安も大きかったり。
家族全員、生きているということを単純に喜べない、非常に複雑な気持ちだったりします。
言ってしまえば「早く亡くなってほしい」と紙一重のこの気持ち。
時々、すごい自己嫌悪とか罪悪感を感じてしまいます。
ただ、1つ、自分でも驚くほど、結構大きな心境の変化がありました。
それは、「いつ何があっても仕方ない」と思えるようになったことです。
おそらく、しんどい1週間、結構長い時間を一緒に過ごせたからだと思います。
それまでは、「急に連絡が入ったらどうしよう・・」ばかり考えていましたが、
最近は、「いつ何があっても仕方ない。体調に波があるのも仕方ない。連絡があったらその時行けばいい。」という気持ちです。
ある程度やることはやった、という満足感もあるのでしょうか。
ということで、結果的には、
1ヶ月前の早い段階で、「話せるうちに話しておいてください」と言っていただいたのは、
とても有難かったと思っています。
この先、いつまでどのような状況が続くか、予測もつきませんが、
様子を見ながら、無理のない範囲で、一緒の時間を過ごしていきたいと思います。
こんな、予測がつかないことばかりの病棟で、
少しでも快適に過ごせるように、日々ケアしていただいている先生や看護師さん。
本当に頭が下がります。
ありがとうございます。