松山の市内をゆっくり駆け抜ける「坊ちゃん列車」、運賃は通常の5倍!?
松山の鉄道会社と言えば「伊予鉄」。
市内電車、郊外電車を走らせているほか、バス路線も多数あり、愛媛県・松山周辺の交通の中心的な存在です。
その伊予鉄が、小説「坊ちゃん」に出てくる蒸気機関車と客車を再現して走らせているのが、「坊ちゃん列車」です。
市内電車の、松山駅前や松山市駅から道後温泉駅まで、毎日運転されています。
所要時間は約20分。
料金は800円。通常の市内電車が一乗車170円なのに対して、なんと約5倍!
高いと思われたかったもいらっしゃるのではないでしょうか?
※2020年10月から、1000円に値上げされています。2021年12月には1300円になる予定。
今回は、この坊ちゃん列車の運賃「800円」を、余すところなく存分に楽しむためのポイント
「みずほ流!坊っちゃん列車の楽しみ方!」
をご紹介します!
まずは、乗車券を買いましょう!
坊ちゃん列車に乗るには、専用の乗車券が必要です。
価格は、乗車区間に関わらず、800円です。
乗車駅付近のきっぷ売り場で購入するか、乗車時に車掌さんから購入できます。
松山市駅なら、駅ビル1階の、伊予鉄チケットセンターで購入できます。
坊ちゃん列車を楽しむポイント(1)折り返しの転回作業を見逃すな!
きっぷを購入したら、早速乗り場へ!
乗車を待つわけですが、乗車する前にもお楽しみがあるのが「坊ちゃん列車」です。
松山市駅、道後温泉駅、古町駅で、「方向転換」の作業を見ることができます。
この坊ちゃん列車の転回作業、せっかく乗るなら、絶対見逃してはいけないポイントです!!
坊ちゃん列車のサイトの一番下に、松山市駅での「転回作業」がイラストで説明されていますので、ぜひご覧ください!!
坊っちゃん列車 | 坊っちゃん列車とは? | 復元後の坊っちゃん列車 | 伊予鉄
SL型の機関車が回転する姿、他では絶対に見られませんよ!
客車を人力で移動させる乗務員さんの姿も、結構感動的です。
ここで要注意なのは、転回作業のタイミング。
松山市駅や古町駅では、20分~30分の折り返し時間の間に必ず転回作業が行われます。
一方、道後温泉駅では、到着後に転回作業が終わってしまって、発車前には転回作業がないことも。
もし発車前に見れなかったときは、到着後のお楽しみ!ということで(^_^;)
坊ちゃん列車を楽しむポイント(2)予約は不要。早めに乗り場に行こう!
坊ちゃん列車の乗車には、予約は不要。基本的には、のりばで先着順になります。
なお、道後温泉駅では、当日朝から整理券(無料)を配布しています。
予定が決まっているなら、時刻と人数を伝えて、早めにもらっておきましょう。
私は、定員を超えて乗車お断りになるのは見たことがないのですが、座席が埋まって立席で乗車する方がいるのは何度か見たことがあります。
道後温泉や松山市駅など始発駅から乗るなら、折り返しの作業を見物するのも兼ねて、早めに乗り場に行くのがおすすめです。
坊ちゃん列車を楽しむポイント(3)乗車して、発車前にも楽しもう!
転回作業などが終わって、車両の準備が整うと、乗車が始まります。
車掌さんにきっぷを見せて、客車に乗車します。
ここで、発車まで時間があれば、機関車や客車との記念撮影もいっぱいしましょう!
車掌さんや運転士さんも、「写真撮りましょうか?」とか、気さくに声をかけてくれます。
今回私が乗りに行ったときは、子供がいたこともあり、発車前の運転席を見せてもらいました(^^)/
レトロなSLの外観に似合わず、運転席は結構現代的。
目視確認だけではなく液晶画面で前後が確認できるのは、最近の自動車と同じですね。
坊ちゃん列車を楽しむポイント(4)発車!五感フル活用で楽しもう!!
時刻になると、市内電車の後を追うように発車します。
発車したら、あとは、余分なことは考えず、五感をフル活用して楽しみましょう!!
汽笛や蒸気の音(疑似)、振動や吹き込む風(客車はエアコンなしです!)、車掌さんの案内、山の上に見える松山城、などなど・・・
楽しめるポイントは無限にありますよ!
坊ちゃん列車を楽しむポイント(5)到着後も転回作業!!
車掌さんからも案内があると思いますが、最後のお楽しみは、到着後の転回作業。
出発前よりも、到着後の方が、ゆっくり、確実に転回作業を見ることができそうです。
なので、到着後の予定は、10分~20分ほど余裕を見ておくのがおすすめです。
坊ちゃん列車を楽しむポイント(6)大観覧車「くるりん」にも乗ろう!
松山市駅にある、いよてつ高島屋。
そのビルの上に、大観覧車「くるりん」があります。
坊ちゃん列車の乗車券(800円)を購入した人は、この「くるりん」に1回乗ることができます。
「くるりん」の通常料金は700円。
ということで、実は、「くるりん」に乗るだけで、800円の乗車券は元を取ったも同然です。
坊ちゃん列車に乗る前でも乗る後でもいいのですが、30分ほど時間があれば、「くるりん」に乗って、一気に元を取ってしまいましょう!!
天気が良ければ、松山市内、松山城や瀬戸内海もきれいに見えて、なかなか見ごたえがありますよ。
まとめ・・・800円は運賃でなく、アトラクション代!
坊ちゃん列車の楽しみ方をいろいろご紹介しました。
「160円で移動できるところに800円払うなんて、超割高!!」と、私も、実際に乗る前は考えていました。
しかし、坊ちゃん列車は、単なる移動手段ではありません。
「特別な体験」あるいは「アトラクション」のようなもの。
市内電車(移動手段+路面電車)と同列に語れるものではありません。
車掌さんのお話で聞いたのですが、坊ちゃん列車1編成の価格は約2億円とのこと。
メンテナンス費用や、乗務員さんの人件費なども考えたら、800円の運賃では絶対にペイできません。
伊予鉄にとっては、完全に、収益源ではなく、「広告塔」ということですね。
たった800円で、約30分、これだけの面白い体験を提供してくれる「坊ちゃん列車」。
松山を訪れる際には、1時間ほど時間を取って、「坊ちゃん列車」と「くるりん」に、乗ってみてはいかがでしょうか。